伊藤 京子

Ito Kyoko

総合プロデューサー
©Rikimaru Hotta

公益財団法人アルゲリッチ芸術振興財団 副理事長
別府アルゲリッチ音楽祭 総合プロデューサー
しいきアルゲリッチハウス プロデューサー

福岡県北九州市出身。東京藝術大学附属高等学校から東京藝術大学、フランクフルト音楽大学卒業。第43回日本音楽コンクール第3位入賞。10年間の渡欧中、1977年ブゾーニ国際コンクール第3位入賞、ドイツ、オランダ各地で、また日本国内では1978年九響と2曲のコンチェルトを弾いて本格的な演奏活動を開始。ショパン協会例会、毎日ゾリステン他ギフテッド・アーティストシリーズ(音楽之友社、新日鐵主催)では、第1回出演者に選ばれ、新進演奏家として大きな期待を寄せられた。その後もNHK交響楽団(サヴァリッシュ指揮)、新日本フィル、日本フィル、東京都交響楽団、東京交響楽団、名古屋フィルハーモニー交響楽団等との共演をはじめ、1992年ジュゼッペ・シノーポリ氏によるオーディションに合格し、ソリストとしてシノーポリ指揮・フィルハーモニア管弦楽団とも共演し、活躍の場を広げた。海外での演奏も活発で、1993年国際交流基金より東欧(ポーランド、ルーマニア、ブルガリア)へ派遣され、リサイタルやジョルジュ・ディマ国立オーケストラと共演。1998年再び国際交流基金の派遣によりウィーン、内紛後初めてのサラエボ・冬のフェスティバル、マケドニア、スロヴァキアでのリサイタルを行った。シカゴ、サンフランシスコ、ウィーン東欧諸国等、国内外でのリサイタル、室内楽も常に高い評価を受け、演奏家としてのキャリアを積んだ。また従来の形式にこだわることなく1987年より12年間NHK大分放送局サロンコンサートにおいて、現在多くのコンサートでも用いられるようになったトーク形式のコンサートをいち早く取り入れ、ショパン・シリーズ、モーツァルト・シリーズ、子どものためのシリーズではブルグミュラー、ソナチネ等も加えて常に新しい分野を開拓してきた。1994年アルゲリッチ・チェンバーミュージック・フェスティバルを長年親交のあるマルタ・アルゲリッチと企画し、東京をはじめ各地で成功を収めた。このことを契機に別府市からの委嘱を受けて企画プロデューサーとして、アルゲリッチと共に新しい音楽文化の創造を開始した。こどもたちの心の育成をめざして2000年9月「おたまじゃくし基金」を設立、現在の「ピノキオコンサート」へとつながった。新聞・雑誌でのエッセー執筆、講演などでも活躍しており、特に「心の教育」を目指す「ピノキオコンサート」は活動の中心となっている。1999年~2009年福岡県春日市ふれあい文化センター芸術文化事業コーディネーター、2001年~金刀比羅宮音楽顧問、全日本学生音楽コンクール審査員、川口市ピアノ・フェスティバルでは審査委員長を務めた。1995年に北九州市民文化賞、国際ソロプチミスト「女性栄誉賞」、2002年新日鐵音楽賞「特別賞」及び大分合同新聞文化賞を受賞。2009年北九州市文化大使に就任、2010年別府市より特別功労表彰を受賞、2011年大分県より大分県功労者表彰を受賞。2016年「第3回JASRAC音楽文化賞」受賞。2018年11月、別府アルゲリッチ音楽祭を育て、日本の地方と世界の音楽界を結びつけた功績で第77回西日本文化賞を受賞。2024年1月、(公財)大林財団より、芸術を核とした社会貢献、別府から世界への芸術文化の発信ならびに地域振興に寄与した功績が、都市のあり方や将来像に画期的な指標を与えたと高く評価され、「第13回大林賞」が贈られた。邦人としては初の受賞となる。公益財団法人アルゲリッチ芸術振興財団副理事長、しいきアルゲリッチハウスプロデューサー。