別府アルゲリッチ音楽祭総監督 マルタ・アルゲリッチ Martha Argerich

ピアノ
公益財団法人 アルゲリッチ芸術振興財団 総裁
別府アルゲリッチ音楽祭 総監督
大分県 外国人名誉県民

アルゼンチンのブエノスアイレス生まれ。5歳からヴィンチェンツォ・スカラムッツァのもとでピアノを学び、神童ぶりを発揮。8歳でモーツァルトとベートーヴェンのピアノ協奏曲を弾いてデビューした。1955年に家族とともにヨーロッパに渡り、マガロフ、グルダ、リパッティ夫人、ステファン・アスケナーゼ、ベネデッティ・ミケランジェリなどに師事。1957年にブゾーニとジュネーヴの国際ピアノコンクールで優勝して以来、活発なコンサート活動を開始。1965年にショパン国際コンクールで優勝し、彼女の世界的な評価を決定的なものにした。以来、人気、実力ともに世界的トップ・ピアニストとして活躍を続けている。そのレパートリーは幅広く、バッハからメシアンにまで及び、ヨーロッパ、日本、アメリカの著名なオーケストラや指揮者、音楽祭などから絶えず招かれている。また、室内楽にも熱心に取り組んでおり、ヴァイオリンのギドン・クレーメル、チェロのミッシャ・マイスキーらとデュオを行い、ネルソン・フレイレ、アレクサンドル・ラビノヴィチらピアニストと連弾や2台のピアノのための作品も数多く演奏している。
1994年から別府ビーコンプラザ・フィルハーモニアホール名誉音楽監督に就任。「別府アルゲリッチコンサート’95」では約10年ぶりに世界中の音楽ファン待望のソロ・リサイタルが実現し、大きな話題を呼んだ。1996年フランス政府から芸術文化勲章オフィシエを贈られ、1997年ローマ・サンタ・チェチーリア協会員に任命される。同年12月、大分県より外国人名誉県民証を贈られた。
1996年より「別府アルゲリッチ音楽祭」総監督を務め、アジアをはじめ世界の音楽家との共演を行っているほか、若手音楽家の育成にも力を注ぎ、自らマスタークラスで指導にあたるなど、その革新的な音楽創造への試みは日本をはじめ世界の音楽界に多大な影響を与え続けている。1999年9月、ブエノスアイレスでマルタ・アルゲリッチ国際ピアノコンクールが開催された。2001年にはブレーシア・ベルガモのアルトゥーロ・ベネデッティ・ミケランジェリ国際ピアノ・フェスティバルから第2回アルトゥーロ・ベネデッティ・ミケランジェリ国際賞が贈られた。また同年11月には、彼女が総監督を務める「マルタ・アルゲリッチ・フェスティバル・ブエノスアイレス2001」が「別府アルゲリッチ音楽祭」の姉妹音楽祭として開催された。また、スイス・ルガーノ音楽祭においてプロジェクト・アルゲリッチが開催されていた。2005年、別府アルゲリッチ音楽祭の功績が認められ、旭日小綬章を受章。同年日本美術協会より世界文化賞を受賞。
2016年、初来日から46年間の音楽活動はもとより、当財団の活動でもある音楽文化の発展及び友好親善に寄与した功績が認められ、日本国政府より旭日中綬章を受章。また芸能分野でアメリカの芸術文化に大きな功績を残した人に贈られるケネディ・センター名誉賞を受賞。
2018年10月、イタリア共和国功労勲章の「コメンダトーレ」受章。2022年5月、大分県より大分県の芸術・文化振興に大きな功績を与えていると県民栄誉賞が授与された。2023年、フランス政府より同国に多大な貢献をした方に贈られる国家最高勲章であるレジオン・ドヌール勲章のコマンドゥールを受章。2024年1月、公益財団法人大林財団より、芸術を核とした社会貢献、別府から世界へ芸術文化の発信ならびに地域振興に寄与した功績は、都市のあり方や将来像に画期的な指標を与えたと高く評価され「第13回大林賞」が贈られた。CDはドイツ・グラモフォンをはじめ、EMI、RCA、ソニー、フィリップス、テルデックの各レーベルからリリースされており、グラミー賞やショック賞、グラモフォン誌のアーティスト・オブ・ザ・イヤー賞、ドイツ・レコード批評家賞をはじめ、多くの賞を受賞している。公益財団法人アルゲリッチ芸術振興財団総裁。


→ マルタ・アルゲリッチと大分とのつながり マルタ・アルゲリッチ80歳を祝して
→ アルゲリッチ出会いの物語
→ マルタ・アルゲリッチの日