マルタ・アルゲリッチと大分とのつながり マルタアルゲリッチ80歳を祝して
大分は大友宗麟の時代から、西洋の息吹きに包まれた場所でした。
初めて西洋音楽を日本人が学び演奏した歴史が刻まれています。 そして460年の時を経て、この壮大な歴史のロマンは、世界の頂点に立つ音楽家へと導かれていったのです。
その人こそがマルタ・アルゲリッチでした。
マルタ・アルゲリッチが伊藤京子と共に初めて大分の地を訪れたのは、1994年初春。この事がきっかけとなり、当時の別府市中村太郎市長の依頼を請けて別府ビーコンプラザ・フィルハーモニアホール名誉音楽監督に就任。1995年〜97年に音楽祭のプレコンサートを実施。「別府アルゲリッチコンサート’95」 では約10年ぶりに世界中の音楽ファン待望のソロ・リサイタルが実現し、大きな話題を呼んだ。
1996年フランス政府から芸術文化勲章オフィシエが贈られ、1997年ローマ・サンタ・チェチーリア協会員に任命される。1997年12月、大分県より外国人名誉県民証が贈られた。
1996年から別府アルゲリッチ音楽祭の総監督を務め、1998年からは自らの名前を冠した初めての音楽祭となる 「別府アルゲリッチ音楽祭」 (MUSIC FESTIVAL Argerich’s Meeting Point(R) in Beppu」〜アルゲリッチの出会いの場〜)を開催。アジアをはじめ世界の音楽家との共演を行なっているほか、若手音楽家の育成にも力を注ぎ、自らマスタークラスで指導にあたるなど、その革新的な音楽創造への試みは日本をはじめ世界の音楽界に多大な影響を与え続けている。
2005年、音楽家としての活躍と別府アルゲリッチ音楽祭・スイス・ルガーノ音楽祭の実績に対して第17回高松宮殿下記念世界文化賞を受賞。同年、日本における音楽家としての活躍と別府アルゲリッチ音楽祭の実績、若手音楽家の育成等に寄与したことが認められ、旭日小綬章を受章。
2007年3月、財団法人アルゲリッチ芸術振興財団(現・公益財団法人アルゲリッチ芸術振興財団)総裁に就任。
2015年5月、名誉理事 椎木正和氏より贈られたアルゲリッチの名を冠する世界に唯一無二の「しいきアルゲリッチハウス」が大分県別府市に竣工。
2016年、初来日から46年間の音楽活動はもとより当財団の活動でもある音楽文化の発展及び友好親善に寄与した功績が認められ日本国政府より旭日中綬章を受章。また芸能分野でアメリカの芸術文化に大きな功績を残した人に贈られるケネディ・センター名誉賞を受賞。
2018年10月、イタリア共和国功労賞の「コメンダトーレ」受章。CDはドイツ・グラモフォンをはじめ、EMI、RCA、ソニー、フィリップス、テルデックの各レーベルからリリースされており、グラミー賞やショック賞、グラモフォン誌のアーティスト・オブ・ザ・イヤー賞、ドイツ・レコード批評家賞をはじめ、多くの賞を受賞している。