<追悼>
親愛なるフレーレさん

今苦痛はなくなりましたか。
あなたが転倒事故以来、演奏が出来ない、という
とても大変な葛藤と苦しみの中にいたと聞きました。
なんとか少しでも回復へ向かって、もう一度アルゲリッチの音楽祭での演奏を願ってもいました。
音楽祭での真の音楽家にしか表現できないであろう真摯な音楽に、そこにいた全ての人たちが心から感銘を受けました。

あなたはとても寡黙で、アルゲリッチの話にいつも柔らかな笑顔で頷いていた姿も印象に残っています。
テディベアのように人を和やかにしてくださいましたね。

私はあなたの演奏が大好きでした。
あなたとアルゲリッチのデュオではピアノデュオの新しい世界の扉を開いてくれました。今もそしてこれからも、お二人のデュオはこれ以上望めない最高のデュオです。
あなたはこれからも私たちの心の中で確かに生き続けるでしょう。
安らぎの場で大好きなピアノを思う存分演奏してくださいね。
その音を私たちにも聴かせてください。
安らかならんことを。ありがとうフレーレさん
            感謝を込めて

2021年11月6日

公益財団法人アルゲリッチ芸術振興財団副理事長
別府アルゲリッチ音楽祭総合プロデューサー
伊藤京子




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