観客、批評家、音楽家仲間から高い評価を受けているイム・ドンヒョクは、同世代屈指のピアニストの一人である。1984年韓国ソウル生まれ。幼少期に韓国国立音楽院で学んだ後、10歳でロシアに渡り、モスクワ音楽院中央音楽学校に学ぶ。1998年に同校を卒業し、チャイコフスキー記念国立モスクワ音楽院でレフ・ナウモフ教授に師事。ドイツのハノーファー音楽大学でアリエ・ヴァルディのもとで、またアメリカ合衆国ジュリアード音楽院でエマニュエル・アックスに学ぶ。
 モスクワ音楽院大ホール及び小ホールでの演奏、パリのサル・プレイエルやサル・コルト、ワルシャワのワジェンキ宮殿、ベルリンのコンツェルトハウス、日本の別府アルゲリッチ音楽祭フィルハーモニアホールでのマルタ・アルゲリッチとの演奏は絶賛された。スイスのヴェルビエ、ドイツのクラヴィエ、ポーランドの第57回ショパン国際フェスティバル、フランスのラ・ロック・ダンテロン、モンペリエ、ジャコバン国際音楽祭などの著名な音楽祭にも多数出演している。世界の主要オーケストラとの共演も多く、NHK交響楽団、フランス放送フィルハーモニー管弦楽団、サンクトペテルブルク・フィルハーモニー交響楽団、新日本フィルハーモニー交響楽団とシャルル・デュトワ、チョン・ミョンフン、ユーリ・テミルカーノフなどの指揮で共演している。
 2001年5月、EMIクラッシクスと最年少ピアニストとしてレコーディング契約を結び、2002年6にリリースされた"Martha Argerich Presents"シリーズのショパン、シューベルト、ラヴェルのデビューアルバムでフランスのディアパソン・ドール賞を受賞。ショパンのピアノソナタ3番や他の小品をフィーチャーした第2弾のEMIでの録音盤は、ル・モンド・ド・ラ・ムジーク誌のショック賞を受賞。2008年には、バッハのゴルトベルク変奏曲を収録した3枚目のアルバムをリリース。最新の録音はワーナー・クラシックスからリリースされたショパンの24の前奏曲で、Gramophone誌やBBCミュージック・マガジンで批評家から絶賛された。
 数多くのコンクールでの受賞歴を誇り、1996年9月に、モスクワ若いピアニストのためのショパン国際コンクールで同年の最年少参加者として第2位に入賞して国際的な注目を浴びる(兄であるドング・ミン・リンが第1位)。2000年にはイタリアのブゾーニ国際ピアノコンクールで第5位に入賞。同年さらに日本の浜松国際ピアノコンクール第2位を獲得。2001年12月、パリのロン=ティボー国際コンクールで史上最年少でプルミエグランプリを受賞したほか5つの特別賞も受賞。2005年10月、ワルシャワの第15回ショパン国際ピアノコンクールで韓国人として最高位の第3位となる。兄のドング・ミン・リンも第3位となった(2位受賞者なし)。2007年6月、モスクワの第13回チャイコフスキー国際コンクールで、セルゲイ・ソボレフとともに第4位となった(第1位受賞者なし)。
 2018/2019年のシーズンは、マルタ・アルゲリッチと初めてのデュオコンサートと録音を行う。また、BBC交響楽団とのレコーディングも予定されている。

→ 第21回 別府アルゲリッチ音楽祭 出演者一覧