今年の音楽祭の結果には特に満足しており大変嬉しく思っています。
今回のチョン氏との共演はソウルで始まって福岡の演奏会では更に素晴らしいものとなりました。京子との連弾も特筆すべきものとなりました。
また今回九州のアジアの玄関である福岡で、私達が実行してきた芸術の社会での役割を考えることを、分かち合えたことは大変重要な将来への一歩となったと思います。
私達の活動が始まった時以来からの理解者である椎木氏の支援を頂き、今回実現が出来た事を感謝しています。
またこのコンサートに二百人もの親子が椎木シートによって招かれた事も芸術が社会の共有財産である事を実現して頂き、嬉しく思いました。今後も福岡との連携を考えたいと思っています。

大分の大変意義のある、育成に力を入れているオーケストラ演奏についての成果にも大変満足しています。
桐朋学園の学生達はとても意欲的でした。
ピアノはいつも技術者が苦労をして良い状態を作ってくれていますが今回はメカニックを運び、全く生まれ変わったピアノに驚きました。ピアノの状態を如何に良く保っていくのかはホールを管理する人達の意識が重要であり、それぞれのホールの課題でもあると感じます。
また若手を支援するリサイタルシリーズではイム・ドンヒョクさんの音色は非常に美しく魅了されました。彼が「亡き王女のためのパヴァーヌ」をアンコールでも再度弾いた際には母親を亡くした彼の胸中を察して涙ぐんでしまいました。

別府でのマラソンコンサートのシューマン五重奏曲の演奏は、私のこれまでのベストとも言えるものとなりました。バシュメット氏や清水氏からの様々な提案を前日のリハーサルで種々試したことも奏を効して、本番では大変インスピレーションを受けました。
このようなリハーサル・本番は通常のルーティーン化された演奏会ではないことです。
川本さんや今回の音楽祭で初めて共演したブルネロ氏も見事でした。韓国からの若手バイオリニストのシン・ヒョンスさんのクロイツェルも素晴らしかった。
シューマンの言葉や手紙を俳優の榎木さんに朗読して頂きましたが、京子の書いた台本や構成もシューマンの心情と共にいろいろな現代社会の問題を考えて頂くきっかけになったのではないかと思います。
マラソンコンサートの最終日での懇親会では大分県広瀬知事や別府浜田市長が親しく接してくださり、とても楽しむことが出来ました。
ほとんど毎日練習をしていたので今回は別府市内を見て廻る機会がありませんでしたが、蒸し料理を含め大分県のいろいろな美味しい食事を滞在中に堪能することは出来ました。

音楽祭が実際に始まると「光陰矢の如し」で、別府を離れたくなく寂しく思いました。
演奏会に来られた聴衆の皆様も今回の音楽祭に満足されたことを願っています。




別府アルゲリッチ音楽祭
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