著名なクラシック音楽家の両親のもとスイスに生れる。中等教育でギリシャ語やラテン語などの古典語と古典学を学んだあと、アメリカへ渡り、プリンストン大学で比較文学の学士号、ニューヨーク大学でジャーナリズムの修士号、さらにコロンビア大学でフランス語とロマンス文献学の博士号を取得した。論文では、フランスの反ユダヤ主義的文学における美学と政治との相互作用について取り上げている。ニューヨークのバーナード大学はじめ、アメリカの大学で教鞭をとっており、近年ではアリゾナ州立大学で文学およびヨーロッパ・インテレクチュアル・ヒストリーの授業を受け持っている。
 教育者として後進の指導にあたる傍ら、自らの研究をパフォーマンスと制作活動に生かして舞台芸術の分野でも才能を発揮している。ホロコーストに関する関心を高め、記憶を蘇らせ留めるための公的なアウトリーチ活動や公演に参加。2015年には、終戦70年を記念した催しで被爆者が記した文章の朗読を広島で行い、東京では天皇陛下の御前で朗読した。また最近では、ユネスコの国際ホロコースト記念日でも朗読をしている。アウシュビッツ財団やベルギーの退役軍人会とのいくつかの共同プロジェクトにも参加している。最近では、ポーランドのショアー(ナチスによるユダヤ人大虐殺)の痕跡をたどる教育ドキュメンタリーのプロジェクトに参加している。
 デュトワは2016年以降自ら演じることとプロデュースの仕事にキャリアをシフトしている。ミヨー、リスト、サン=サーンス、ストラヴィンスキー、ケージの作品を、朗読・演技・音楽を総合して、東京のサントリーホール、フィルハーモニー・ド・パリ、ローマのサンタ・チェチーリア国立アカデミア、ブリュッセルのボザールなどの国際的ホールで上演している。アントニオ・パッパーノとマルタ・アルゲリッチが共演したサン=サーンスのフランシス・ブランシェのテキストによる動物の謝肉祭の録音盤が2017年9月にワーナー・クラシックスからリリースされた。アクターとしての訓練を積み、米国でシェークスピアの作品にも出演。2017年、ダイアン・サミュエルズ作の「Kindertransport」とイングリッド・バーグマンの「秋のソナタ」の舞台版を監督・上演。現在はヤスミナ・レザの「Hammerklavier」の制作・脚色にあたっている。


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